給与所得控除の改正
給与等の収入金額が1,200万円を超える場合の給与所得控除額については、230万円に引き下げられました。給与収入の金額 | 改正後 (平成29年度から) |
改正前 (平成28年度まで) |
1,000万円超 1,200万円以下 |
同 右 | 収入金額×95% -170万円 |
1,200万円超 | 収入金額-230万円 |
扶養控除等の適用における日本国外に居住する親族に係る添付書類の義務化
個人住民税の申告等や所得税の確定申告において、日本国外に居住する親族に係る扶養控除・配偶者控除・配偶者特別控除又は障害者控除の適用を受ける場合は、「親族関係書類」及び「送金関係書類」を添付又は提示しなければならないこととされました。※給与等の年末調整をしている者及び公的年金等受給者で、日本国外に居住している親族に係る「親族関係書類及び送金関係書類」を扶養控除等申告書等に添付又は提出している場合は除きます。
親族関係書類
- 戸籍の附票の写しや国その他の国又は地方公共団体が発行した書類及び国外居住親族の旅券(パスポート)の写し
- 外国政府又は外国の地方公共団体が発行した書類(国外居住親族の氏名、生年月日及び住所又は居所の記載があるものに限ります。)
送金関係書類
- 金融機関の書類又はその写しで、金融機関が行う為替取引により、納税義務者からその親族に支払をしたことが証明できる書類
- クレジットカード発行会社の書類又はその写しで、クレジットカードを提示してその親族が商品等を購入したこと等により、商品等の購入等の代金に相当する額を納税義務者から受領した又は受領することとなることを証明できる書類
※詳しい内容は、国税庁ホームページを参照してください。
金融所得課税の一体化
公社債の課税方式が変更になり、特定公社債等の利子所得及び譲渡所得(償還も含む)は申告分離課税の対象となりました。また、特定公社債等の利子所得及び譲渡所得と上場株式等の譲渡損失及び配当所得の損益通算が可能となり、特定公社債等の譲渡損失により損益通算しても控除しきれない金額については、翌年以後3年間繰越ができるようになりました。
※この場合の上場株式等の配当所得は、申告分離課税を選択したものに限ります。
区 分 | 所得の種類 | 課税方式 | 上場株式等 との損益通算 |
特定公社債 | 利子 | 申告分離課税 ※1 ※2 |
○ |
譲渡(償還も含む) | |||
一般公社債 | 利子 | 源泉分離課税 | × |
譲渡(償還も含む) | 申告分離課税 |
※2 特定公社債等の譲渡所得…特定口座の源泉徴収を選択している場合は、申告不要。
詳しい内容は、国税庁が作成したパンフレット又は国税庁のホームページを参照してください。
上場株式等の配当所得等に係る個人住民税の課税方式の選択に係る所要の措置(所得税と異なる課税方式による個人住民税の選択)
概要
平成29年度の税制改正で、特定上場株式等の配当所得や上場株式等の譲渡(源泉徴収がある特定口座)に係る所得については、平成29年4月1日から所得税と異なる課税方式により個人住民税を課税することができることが明確化されました。具体的には、特定上場株式等の配当所得等を含めた所得税の確定申告書が提出されている場合であっても、その後に個人住民税の申告で記載された事項を基に課税できること等を明確化するための改正がされたものです。あくまでも、申告者自己責任の下、「申告不要制度適用・総合課税・申告分離課税」を選択してください。
現行の制度
特定上場株式等の配当等については、所得税15.315パーセント(復興特別所得税分含む。)と住民税5パーセント(配当割)の合計20.315パーセントの税率で源泉徴収(特別徴収)されています(源泉徴収がされる特定口座の上場株式等譲渡所得も同じ。)。確定申告した場合は、申告書第二表「住民税に関する事項」欄に5パーセント分の特定上場株式等の配当割額や株式等譲渡所得割額を記入することで個人住民税の所得割から税額控除がされます。
一方で、申告不要とされている特定上場株式等の配当等を申告した場合、配偶者控除や扶養控除などの判定上の合計所得金額に算入されます。これにより、扶養等の控除が受けられないことや、国民健康保険料・介護保険料・後期高齢者医療制度保険料(窓口負担割合含む。)に影響が出る場合がありますので、所得税の確定申告には注意が必要とされます。